診断ケーススタディ(架空データ)

GA4 / GTM 計測診断デモ

実際の案件を想定し、よくある3つの症状「CVがセッション数を超える」「特定日からCVが0件」「(direct)/(not set)の多発」をどう調査・特定するか、架空のShopifyストアのデータで再現したケースです。

※ このページのデータはすべて架空のサンプルです。実際の案件では、まず現状のGA4/GTM/Shopify設定への閲覧権限をいただいた上で、同じ手順で実データを診断します。

現状の異常値(診断前)

セッション数(過去28日)
18,420
通常範囲内
Key Event(購入)
24,190
⚠ セッション数の131%=物理的に矛盾
9/9以降のCV
0件
⚠ 4日間連続でゼロ
セッションの参照元
(not set) 38%
⚠ UTM未設計の流入が多数
GTM内のpurchaseタグ
2本
⚠ 同一イベントを二重送信の疑い
Key Event登録数
9個
⚠ スクロール等の微小操作も含む
診断の進め方

上記のような矛盾は、①タブ「GTM重複タグ検出」→②タブ「CV0件の原因調査」の順で、GTMのタグ設定とGA4 DebugViewを突き合わせることで原因を特定します。クリックして詳細をご覧ください。

GTMコンテナ内のタグ一覧(クリックで詳細)

GA4 - Purchase(Shopify標準連携)
トリガー:Checkout完了 / Shopifyアプリ経由で自動発火
重複疑い
Shopify管理画面の「アプリ管理 → Google & YouTube」チャネルでGA4の連携を有効化すると、Shopifyが独自にGA4へpurchaseイベントを送信します。これは正規の連携ですが、後から追加されたGTM側のタグと併用すると二重計上の原因になります。
GA4 - purchase_manual(GTM手動設置)
トリガー:カスタムHTML / dataLayer.push('purchase')
重複疑い
サンクスページに埋め込まれたカスタムHTMLタグが、同じ注文に対してもう一度purchaseイベントをGA4に送信しています。命名からして過去の担当者が「計測されていないかも」と思い込んで追加した可能性が高く、これがCV数がセッション数を超える主因と考えられます。
GA4 - scroll_90 → Key Event登録
トリガー:スクロール到達率90%
設定は正常
タグの発火自体は正常ですが、このイベントが「Key Event(コンバージョン)」としてマークされているため、レポート上の合計CV数を不自然に押し上げています。マイクロイベントとして残しつつ、Key Eventの指定からは外すのが妥当です。
GA4 - Configuration Tag
トリガー:All Pages
設定は正常
基本設定タグは正しく全ページで発火しています。問題ありません。
この案件で想定される対応

Shopify標準連携かGTM手動タグのどちらか一方に統一し、重複を解消。あわせてscroll_90などのマイクロイベントはKey Eventの指定から外し、「購入」「問い合わせ」「メルマガ登録」など事業上重要な成果のみをKey Eventとして再設計します。

日別イベント発生数の推移(9/9でゼロに)

9/9 12:40 GTM公開履歴

時刻操作内容
9/9 12:38公開「Cookie同意バナー」タグをコンテナに追加・公開
9/9 12:40〜結果GA4設定タグの発火条件に「Consent Mode: analytics_storage = granted」が必須化 → 同意バナーのデフォルト値が「denied」のままだったため、同意取得前は全イベントがブロックされる状態に

GA4 DebugView(サンプルストリーム・クリックでパラメータ表示)

Key Event 再設計(Before → After)

項目現状再設計後
購入2系統から二重送信Shopify標準連携に一本化、Key Event登録
問い合わせ完了未登録(発火のみ)Key Eventとして新規登録
メルマガ登録未計測フォーム送信成功をトリガーに新規実装+Key Event登録
スクロール90%到達誤ってKey Event登録マイクロイベントとして残すが、Key Eventからは除外
カートに追加Key Event登録(重すぎる)マイクロイベント化(分析用に保持)
内部関係者アクセス除外設定なしIPまたはCookieベースの内部トラフィック除外フィルタを設定
マクロCV(事業成果)とマイクロイベント(行動の途中経過)を分離

「Key Event=経営判断に使う数字」「その他イベント=分析用の行動ログ」と役割を分けることで、レポート上のCV数が事業実態と一致するようになります。

UTMビルダー((direct)/(not set)対策)

運用ルール(納品時に一緒にお渡しするイメージ)
  • source / medium は小文字固定・スペース禁止(表記ゆれが(not set)の一因)
  • メルマガ・SNS投稿は配信前に必ずこのルールでUTMを付与
  • 短縮URL経由の場合はリダイレクト後もパラメータが保持されるか要確認

引継ぎ資料サンプル(納品物イメージ)

1. 今回修正した内容

  • Shopify標準GA4連携とGTM手動タグの重複を解消(purchase_manualタグ削除
  • Cookie同意バナー追加に伴うConsent Mode設定の不整合を修正
  • Key Eventを事業成果(購入・問い合わせ・メルマガ登録)に絞って再設計
  • 内部アクセス除外フィルタを新規設定
  • UTM命名ルールを制定、既存の配信導線に適用

2. 現在登録されているKey Event 一覧

  • purchase(購入完了)
  • contact_complete(問い合わせ完了)
  • newsletter_signup(メルマガ登録)

3. 今後、数字を見る際の注意点

  • Key Eventの合計とセッション数の関係に大きな矛盾が出た場合、GTMに新しいタグが追加されていないか確認してください
  • (not set)が急増した場合、直近で配信したメルマガ・SNS投稿にUTMが付いているか確認してください
  • GTMの変更を公開する際は、必ずGA4 DebugViewで発火確認をしてから本番反映してください